派手なコスチュームが乱舞するサイキック・ファンタジーというジャンルにおいて、影山茂夫の地味な装いは極めて異彩を放つ。世界を滅ぼしかねないほどの超能力を秘めながら、本人が心底望んでいるのは「モテたい」「筋肉をつけたい」という至極身近で等身大の願いだ。派手な衣装を拒絶し、記号的な学ランを着続ける彼のスタイルは、彼の「普通の人間でありたい」という意志の表れに他ならない。
少年漫画の歴史を振り返っても、最強のヒーローがもっとも目立たない服を着ているという逆転の発想は斬新だった。この対比構造こそが、物語に深いリアリズムと感情移入の余白を生み出している。