2018年1月15日、有安杏果が突如として発表したグループ卒業は、発表からわずか6日後の1月21日(幕張メッセ)にラストライブを迎えるという異例のスピード感でした。公式ブログで綴られた「子役時代から22年間やってきた世界から一度距離を置いて、普通の女の子の生活を送りたい」という言葉は、多方面で憶測を呼びました。
ネット上では長年にわたり「メンバー間の不仲説」「孤立」が囁かれてきましたが、関係者の証言や当時の状況を客観的に精査すると、本質は人間関係の摩擦ではなく、表現に対するストイックな価値観の差異と極度の精神的・身体的疲弊にありました。
幼少期からEXILEのキッズダンサーなどを経験し、高い歌唱力とダンススキルを誇っていた彼女は、グループのパフォーマンス向上に対して常に誰よりも厳格に向き合っていました。バラエティ番組や大規模イベントを全力で駆け抜けるアイドル集団の熱量と、一人の音楽人として表現の質を突き詰めたいという個人の欲求のあいだに、次第に埋めがたい乖離が生じていったのです。ラストライブで見せた涙と、メンバー4人が笑顔で彼女を送り出した光景は、少なくとも憎しみによる決裂ではなく、お互いの未来を認めた上での「卒業」であったことを裏付けています。