由布川渓谷が「東洋のチロル」と命名された起源は、昭和初期の文化人がその景観をヨーロッパ・チロル地方の峡谷美になぞらえたことに遡ります。高さ約15〜60メートルに達する切り立ったV字谷が約12キロメートルにわたって連なり、岩肌からは幾筋もの湧水がレースのカーテンのように流れ落ちる「細波(さざなみ)の滝」が連続します。
2026年の観光において外せない代表的な見どころは以下の通りです。
- 猿飛橋(さるとびばし)からの大パノラマ:上流側に架かるこの橋からは、深く切れ込んだ谷底とエメラルドグリーンの水面、生い茂る原生林が一望できます。新緑の5月、そして紅葉に染まる11月上旬は息をのむ美しさを誇ります。
- 神秘的な光芒(こうぼう):谷が非常に深く狭いため、太陽が真上に昇る正午前後のわずかな時間だけ、谷底へと光の筋が差し込みます。水煙と苔の緑が乱反射する光景はまさに自然の芸術です。
- チョックストーン(挟まり岩):急流と浸食によって削られた巨岩が岩壁の間に挟まった奇観など、数十万年の火山活動と川の浸食が生んだ造形美を観察できます。