実在の人物にとどまらず、創作の世界においても名前の演出効果は絶大だ。配給大手の東宝が手がけるメガヒット映画や、世界的な映像配信プラットフォームであるNetflixやAmazon Prime Videoで旋風を巻き起こす作品群では、登場人物のネーミングが作品の世界観を強烈に牽引している。
爆発的ヒットを記録した『鬼滅の刃』はその象徴的な例と言える。主人公の「竈門炭治郎」をはじめ、「産屋敷」や「嘴平」といった古風で難解な漢字を用いた苗字は、作品の持つ和風ダークファンタジーの雰囲気を重厚に引き立てた。視聴者は配信画面を見ながら「この漢字はどう読むのか」「実在する苗字なのか」と検索を重ね、それがSNS上での二次拡散を呼ぶという循環を生み出している。