戸愚呂弟の代名詞といえば、己の肉体を自在に変化させる「筋肉操作」です。通常時の20%や45%から始まり、戦況に応じて60%、80%、そして限界突破の「100%中の100%(実質120%)」へと膨張していく威容は、暗黒武術会編における最大の絶望として描かれました。
100%を超えた状態では、周囲に漂う弱小妖怪が放たれる妖気の圧だけで蒸発し、放った一撃は会場のドームを粉砕するほどの威力を誇ります。しかし、後の魔界編・仙水編において、戸愚呂弟の妖怪としてのランクが「B級上位」であったという衝撃の事実が明かされます。
A級やS級といった規格外の怪物が蠢く魔界の基準から見れば、戸愚呂弟の数値上の妖力は決して頂点ではありませんでした。しかし、人間界と魔界を隔てる「結界」を通過できる限界値がB級であったという設定を踏まえると、彼は「人間界に存在し得た最強の絶対悪」として極めて緻密に構築されていたことがわかります。数値の序列を超えた圧倒的な威圧感とカリスマ性は、読者の記憶に深く刻まれています。