インターネット上やSNSの言説では、長年「梅宮アンナは羽賀研二に完全に洗脳されていたのではないか」という単純化された見方が語られがちです。しかし、関係者の証言や当時の心理的背景を丁寧に検証すると、単なるマインドコントロールという一言では片付けられない複雑な人間心理が見えてきます。
第一に、当時20代前半だったアンナにとって、大スター・梅宮辰夫の娘という「看板」は重圧でもありました。親の庇護から脱し、一人前の自立した女性として認められたいという強い欲求が、「親に反対される相手だからこそ守り抜きたい」という心理的リアクタンス(反発心)を増幅させていた側面は否定できません。
第二に、経済的な危機に瀕したパートナーを支える過程で生じる「共依存の罠」です。「私が支えなければこの人は破滅してしまう」という強い責任感が自己存在価値と結びついてしまい、客観的な危険信号を遮断してしまう心理状態に陥っていたと分析するのが妥当です。ネット上の「騙された被害者」という図式以上に、若さと未熟さが生んだ痛切な人間ドラマであったと言えます。