緑の帯を身につける際、多くの人が直面するのが「地味に見えないか」「浴衣の柄と喧嘩しないか」という不安だろう。失敗しないための鉄則は、浴衣の地色と緑のトーンのコントラストを明確に計算することにある。
最も洗練された印象を与えるのが、白地や生成りの浴衣に深みのあるボトルグリーンを合わせるモノトーン調のコントラスト。逆に、濃紺や黒地の浴衣には、ライムグリーンやミントといった明度の高い緑を差すことで、夜の街路でもくっきりと映える視覚的効果が生まれる。からし色やマスタードイエローの浴衣にあえてオリーブグリーンを重ねる同系色のグラデーションも、上級者ならではのこなれ感を演出する。
結び方においても、既成概念にとらわれない工夫が求められる。リバーシブル仕様の帯を用いて裏地の差し色をわざと覗かせる「変わり文庫結び」や、帯端をあえて非対称に垂らす「アシンメトリー結び」を取り入れるだけで、後ろ姿の立体感は劇的に跳ね上がる。帯留めにはシルバーやクリア素材のガラス細工を選べば、緑の瑞々しさがより引き立つ。