多くのファンが疑問を抱き続けているのが、「レコード大賞新人賞を受賞し、メジャーデビューシングル『フワフワSugar Love』がヒットしたにもかかわらず、なぜグループが縮小・解散に向かったのか」という点です。取材と業界構造の分析から、3つの決定的な要因が浮かび上がります。
1. 専用劇場に拘束されるタイムシェアと学業・外仕事の両立困難
原宿駅前ステージは、毎週末に1日2〜3公演を開催する過密スケジュールでした。当時中高生だったメンバーは、平日の義務教育や高校生活と、週末のハードなステージ活動の両立を強いられました。自著やインタビューでも語られていたように、「放課後即座に原宿へ向かい夜遅くまでリハーサルを行う生活」は体力的な限界を招きやすく、高校進学や大学受験のタイミングで脱退・卒業を選択するメンバーが相次ぎました。
2. ライジングプロダクション伝統の「実力派ソロ・個別育成」への方針回帰
安室奈美恵、MAX、SPEED、DA PUMP、三浦大知などを輩出してきたライジングプロダクションにとって、多人数アイドルグループの長期運営は異例の試みでした。事務所の強みである「歌唱力・ダンス力の徹底指導」は個々のタレントに確実に身についたものの、2010年代後半のアイドル戦国時代における大規模フェスや握手会偏重の競争モデルとは徐々に距離が生まれました。結果として、個人として戦える女優やモデル、アーティストへの早期育成へとリソースが再配分されたのです。
3. 常設劇場ビジネスにおける固定費と収益構造のミスマッチ
原宿駅前という超一等地での劇場維持費は莫大でした。キャパシティ約100席というプレミアムな近さはファンの熱量を高めた反面、チケット収入の上限が極めて低く、動員数をスケールさせることが構造的に困難でした。メジャー展開によるCDセールスと劇場運営の収支バランスが崩れたことが、グループ活動の継続を難しくした構造的要因です。