2006年、アテネ五輪を経験し代表の中心選手として絶頂期を迎えていた大友愛の突然の結婚・妊娠発表は、スポーツ界全体に大きな衝撃を与えた。お相手はビーチバレーでも活躍した山本辰生氏。アテネ以降の日本女子バレーを牽引する存在だっただけに、電撃的な現役引退と「山本愛」への改姓は、多くのファンに寂しさを残した。
しかし、彼女のストーリーはそこでは終わらなかった。長女を出産後、育児と向き合いながらも彼女の心の中で競技への情熱が再び燃え上がる。2008年、名門・JTマーヴェラスへの加入を発表し、劇的な現役復帰を果たしたのだ。
ママさんアスリートとしてコートに立った「山本愛」の姿は、当時の日本スポーツ界において極めて先駆的だった。厳しい体作りと厳しい練習日程をこなし、幼い子供を抱えながらトップレベルのプレーを維持する努力は想像を絶するものだったが、彼女はVリーグでの優勝に大きく貢献し、完全復活を証明してみせた。