越路吹雪という大スターの輝きを語る上で欠かせないのが、作詞家・岩谷時子さんとの深い関係です。二人の出会いは宝塚歌劇団の出版部に岩谷さんが勤務していた頃に遡ります。越路さんの才能に惚れ込んだ岩谷さんは、彼女のマネージャーを務めながら作詞を手がけるようになり、名訳詞の数々を越路さんのために書き下ろしました。
互いを「コーちゃん」「トコちゃん」と呼び合い、単なる仕事仲間を超えた魂の共鳴とも言える友情は生涯続きました。岩谷さんの紡ぎ出す美しい言葉は、越路さんのハスキーで感情豊かな歌声に乗ることで、日本歌謡史に残るマスターピースへと昇華していったのです。
そしてもう一人、彼女の人生を公私ともに支えたのが、1959年に結婚した夫で作曲家・編曲家の内藤法美さんです。洗練された音楽アレンジで越路さんのリサイタルを支え、繊細でプレッシャーに弱かった彼女のメンタルを温かく包み込みました。二人の絆は非常に深く、夫婦であり最高の音楽パートナーとして理想的な関係を築いていました。