潮の満ち引きは、地域経済や観光資源にとっても光と影の二面性をもたらしている。熊本県の長部田海床路のように、干潮時には海へと続く道路が姿を現し、満潮時には電柱が海中に立ち並ぶ幻想的な風景は、SNS時代を象徴する絶景スポットとして国内外から観光客を引き寄せている。
しかし、その一方で、潮位の異常な上昇は歴史的街並みやインフラを直接脅かす。ヴェネツィアの「アクア・アルタ」のような高潮被害は決して他人事ではない。瀬戸内海の島々や歴史ある港町では、観光名所としての景観を保ちつつ、高潮による冠水から建築物をいかに防護するかという難題に直面しており、ハード・ソフト両面での景観保全型の防潮対策が模索されている。