ファンの間では今もなお、「一度でいいから生の声を聴きたい」「今の彼女が歌うバラードを聴いてみたい」という切望の声が絶えない。復帰を待ち望む声はひとつの愛情の形だ。
しかし同時に、多くのオールドファンや音楽評論家は、彼女の「歌わない美学」にこそ最大の敬意を払っている。夫を失った悲しみを安易なドラマに仕立ててカムバックすることなく、最愛の人がいなくなった世界で潔くマイクを置いたその姿勢は、表現者が生涯をかけて貫いたひとつの純愛の完成形だからだ。
ちあきなおみという不世出のシンガーが残した音源は、いまも私たちの日常に寄り添い、夜のしじまを静かに照らし出している。夫・郷鍈治と分かち合った深い愛と孤独の記憶は、遺された楽曲たちの中に永遠の命として宿り続けている。 (出典: ちあきなおみ 夫(Yahoo!ニュース))
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