フジテレビ系列を中心に放送された芸能人水泳大会の歴史は、大きく二つの潮流に分かれます。1970年代から始まった「オールスター紅白水泳大会」と、1980年代後半から1990年代にかけて深夜・改編期を席巻した「女だらけの水泳大会」です。
草創期の「オールスター紅白水泳大会」は、郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎の「新御三家」や、ピンク・レディー、森昌子、桜田淳子、山口百恵の「花の中三トリオ」らが出演する超豪華な国民的音楽・スポーツバラエティでした。当時は新人アイドルにとって顔と名前を売るための「最重要登竜門」であり、レコード会社の対抗意識も相まって、芸能事務所が総力を挙げて競泳種目に挑んでいました。
当時の特番インタビューや自著・手記において、ある元トップアイドルは「泳げないと言ったらマネージャーに怒鳴られ、収録の1か月前から区民プールで特訓させられた」と回想しています。単なるお色気企画ではなく、タレント自身が事務所の看板を背負ったガチンコの体育会系イベントだったことがうかがえます。
一方、番組を象徴する名物競技となったのが「水上騎馬戦」や「水上大玉ころがし」、そして滑り台を使ったアトラクション競技です。プール上に組まれた特設ステージでの激しいぶつかり合いは、思わぬハプニングを生み出す舞台装置として機能し、視聴率を押し上げる最大の呼び水となりました。