実際に試験会場のパソコンの前に座った受験者は、どのような壁に直面しているのでしょうか。SNSや匿名掲示板(5ch)、Yahoo!知恵袋の受験報告スレッド、さらには中堅物流企業で運行管理統括を務める現役管理者の手記・取材証言を検証すると、不合格になる人々の生々しい共通点が浮かび上がってきます。
都内のテストセンターで貨物試験を受験し、2度目の挑戦で合格を果たした40代の大型トラック乗務員は、自身の受験体験記の中で当時の焦りを次のように告白しています。
「1回目に落ちた時は、スマホの過去問アプリで正答率90%を出していたから完全に舐めていました。しかし本番のPC画面を開いた瞬間、血の気が引きました。1問目から長文のひっかけ問題が並び、さらに画面上で『あとで見直すチェック』をつけすぎて、残り10分で計算問題が5問も残ってしまったのです。マウス操作と画面スクロールに目を奪われ、普段なら絶対に間違えない『すべて選びなさい』『誤っているものを1つ選びなさい』の読み違いを連発し、結果は17点で1点泣きでした」
この証言は、現代の運行管理者試験で落ちる理由の本質を見事に突いています。紙の試験問題であれば、問題文の「誤っているもの」「すべて」という箇所に鉛筆で大きく丸をつけ、消去法でバツを書き込みながら視覚的に整理できました。しかし、CBT試験ではモニター画面と手元のメモ用紙(A4サイズ1枚とボールペンが貸与される)の間で何度も視線を往復させる認知負荷が発生します。
さらに、試験結果のスコアレポートを分析すると、不合格者の約4割が「15点〜17点」という合格点ボーダーのすぐ下に密集しているだけでなく、「総得点は18点を超えているのに、車両法や労基法で0点を取って足切り不合格になった」という悲劇が毎回の合格発表で多数報告されています。