この街を語る上で絶対に外せないのが、サブカルチャーと映像作品における圧倒的な存在感である。作家・谷川流氏による金字塔的ライトノベル『涼宮ハルヒの憂鬱』の舞台として知られ、作中に登場する駅前広場や喫茶店、通学路のモデルを訪ねる聖地巡礼観光の客足は、発表から20年近くが経過した現在も途絶えることがない。
さらに歴史を遡れば、高畑勲監督の名作アニメーション『火垂るの墓』に描かれた夙川や香櫨園エリアも目と鼻の先だ。近年では、Netflixで世界配信された実写ドラマや最新映画のロケ地としても相次いで起用され、海外からのインバウンド客がロケ地巡りを楽しむ姿も目立つ。文化的な文脈が幾重にも重なり合うことで、観光地としての奥行きは一層深まっている。