行政の視点からも、この地域への注力は明確だ。渋谷区役所は、渋谷駅周辺の大規模再開発だけでなく、周辺の居住エリアにおける都市防災と安全な歩行者空間の形成を積極的に推進している。とりわけ長谷部健区長が掲げる「ちがいを ちからに 変える街。」という理念のもと、地域固有の歴史やコミュニティの絆を壊すことなく、現代的な都市機能を融合させるまちづくりが実を結びつつある。
無計画な高層化やすべてを均一化するスクラップ・アンド・ビルドではなく、街の歴史的コンテキストを尊重した再開発のアプローチが採られている点が特徴的だ。防災性能を高めるための道路拡幅や老朽化建築物の建て替え支援が進む一方で、街のスケール感を損なわない景観形成ガイドラインが機能しており、新旧が美しく調和する未来図が形作られている。