この街のアイデンティティを語る上で、海を切り離すことはできない。紀伊水道を挟んで関西圏と四国を結んできた歴史は、今なお街の血管のように脈打っている。小松島港開港100周年記念事業を契機として進められた港湾エリアの再整備は、従来の港湾物流・海運業の枠組みを大きく押し広げた。
現在も海上の架け橋として重要な役割を担う南海フェリー株式会社の航路をはじめ、海運がもたらす人の流れと物流のダイナミズムは健在だ。大型貨物船が接岸する無骨な工業美と、洗練されたマリーナの景観。このコントラストこそが、他の観光地にはない独特の奥行きを演出している。