名古屋の心臓部がいま、空前の都市再生プロジェクトのまっただなかにある。官民がタッグを組んで強力に推し進める栄地区グランドビジョン再開発プロジェクト。その影響によって、街の景観はわずか数年前とはまるで別物に生まれ変わりつつある。真新しいガラス張りの高層ビルが空を突く光景は圧巻だ。しかし、この激動の真っ只中にあっても、街の歴史をしっかりと背負うランドマークとしての風格を漂わせているのが栄ガスビルに他ならない。
長年にわたりこの拠点を支えてきたのは、地域のエネルギー基盤を司る東邦ガス株式会社と、不動産開発を手がける東邦不動産株式会社だ。単なる賃貸オフィスビルという枠組みを超え、文化活動や商業活動のプラットフォームとして街の発展に寄与してきた歴史がある。どれほど周囲の風景が刷新されようとも、長年培われた圧倒的な知名度と立地の優位性は揺るがない。都市の新陳代謝が加速する現代において、この伝統的な建造物がどのように次なる時代へとバトンを繋ぐのか。業界関係者の関心は尽きない。