SNSのタイムラインを眺めていると、コンプライアンスや「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する現代社会の反動が透けて見える。過剰にクリーンで、誰も傷つけない表現ばかりが求められる令和の時代。だからこそ、かつての彼が放っていた「何をしでかすか分からない危うさ」が、新鮮な刺激として若者の目に映るのだ。
「本音で生きる」ことの難しさを誰もが痛感している現代において、若き日の坂上忍が見せた剥き出しの感情は、一種のバイブルのように機能している。作られたキャラクターではない、生身の人間が放つ熱量。それこそが、画面越しに若者たちの心を揺さぶる正体だ。