アイドルとしてのピークを過ぎた後、彼女は緩やかに、しかし確実に演技派女優へのシフトを遂げていく。映画『鉄道員(ぽっぽや)』や『秘密』で見せた繊細な演技は、それまでの「記号としてのヒロスエ」から「血の通った一人の表現者」への脱皮を証明するものだった。
少女特有の儚さを武器にしながらも、年齢を重ねるごとに人間の泥臭さや業を表現できる俳優へと進化していったプロセスは、極めてスリリングだった。2008年の映画『おくりびと』での静かな佇まいは、彼女が真の意味で日本の映画界に欠かせない存在になったことを世界に示した。