ペンバートンの人生を決定づけたのは、1865年のコロンバスの戦いだ。胸部に深い傷を負った彼は、当時の医療現場で一般的だったモルヒネの投与を受ける。これが地獄の始まりだった。戦後、彼は薬剤師としてのキャリアを再開するが、常にモルヒネの幻影と闘い続けることになる。
彼が求めたのは、副作用のない鎮痛剤だった。コカインの葉に含まれる成分がモルヒネ中毒の治療に有効であるという当時の仮説に基づき、彼はコカの葉の抽出液と、カフェインを豊富に含むコーラナッツを組み合わせる実験を繰り返した。この必死の試行錯誤が、伝説の味を生み出す引き金となったのだ。