麻婆豆腐の美味しさを決めるのは、醤(ジャン)やラー油の油分と、豆腐から出る水分がどう混ざり合うか、すなわち「乳化」のプロセスです。水分の多い絹ごし豆腐をそのまま使うと、調理の過程で水が染み出し、せっかくのタレが水っぽく分離してしまいます。
科学的な視点で見ると、木綿豆腐は網目構造がしっかりしているため水分を保持しやすく、タレの油分をその隙間に抱え込むことができます。これが「木綿の方が味が染みる」と感じる理由です。一方で、絹ごしを使う場合は、水溶き片栗粉で強めにトロミをつけ、豆腐の水分をタレの中に閉じ込める技術が求められます。