深夜の訓練で見えてきたのは、最新技術の限界と都市インフラの課題だ。例えば、地下街や地下鉄駅の換気システムは、有毒ガスを排出する一方で、設計によっては他のエリアにガスを拡散させてしまうリスクも孕んでいる。また、数万人規模の避難者を一時的に収容し、除染(デコンタミネーション)を行うスペースの確保も容易ではない。
訓練を視察した安全保障の専門家は、「ハードウェアの対策には限界がある。最終的には、駅職員や警備員、そして一般市民の防災リテラシーを高めるソフト面での強化が不可欠だ」と指摘する。日常的に利用する場所だからこそ、私たちはそのリスクに対して盲目であってはならない。