京都や東京、富士山周辺でオーバーツーリズムが深刻化する中、2026年の旅行者の関心は東北、とりわけ豊かな自然と食文化が残るエリアへと大きくシフトした。日本三景の一つである松島や、歴史ある秋保温泉・作並温泉には、単なる日帰り観光ではなく、数週間滞在してローカルな文化を楽しむ欧米からの長期滞在客が目立つ。
地域が取り組んだのは「質の転換」だ。従来の団体バスツアーに頼る薄利多売の観光スタイルを排し、プライベートクルーズでの松島湾周遊や、地元の酒蔵・漁師と連携したガストロノミーツーリズムを展開。1泊数十万円クラスの上質な宿泊施設の開業も相次ぎ、観光消費額は劇的に跳ね上がった。「混雑しない上質な日本」を求める海外富裕層の取り込みは、過疎に悩む沿岸部の事業者にとっても大きな恵みとなっている。