お笑いという表現において、二人が到達した頂点は対照的だった。志村けんは、衣装やメイク、小道具にまで徹底的にこだわり、何十年にもわたって「志村けんのバカ殿様」や変なおじさんといったキャラクターを磨き続けた。笑いの間や表情の変化一つに妥協を許さず、舞台上での一挙手一投足に命を吹き込む姿は、まさにコントの職人そのものだった。
対照的に明石家さんまは、マイク一本と自身のトークだけで何時間でも笑いを生み出し続ける言葉の格闘家だった。ゲストの魅力を引き出し、予想外のアクシデントすら爆笑に昇華させる手腕は、他の追随を許さない。スタジオの観客や視聴者を一瞬で自分のペースに引き込む圧倒的なライブ感は、時代の寵児たる所以であった。
アプローチは違えど、二人の目指す場所は常に一つ、「いかに目の前のお客さんを笑わせるか」であった。表現方法は違っても、お笑いに対する誠実さと情熱においては完全に一致していたのである。