志磨遼平のキャリアを語る上で避けて通れないのが、伝説のバンド「毛皮のマリーズ」の解散理由です。2011年9月、日本武道館公演の直前に突如として発表された解散劇は、当時の音楽シーンに強烈な激震を走らせました。
突然の幕引きの背景には、不仲や方向性の違いといった一般的なバンドの破局とは一線を画す明確なコンセプトが存在していました。志磨遼平は最初から「武道館公演をもってバンドを完結させる」というグランドデザインを描いており、ロックバンドという生命体が放つ有限の美しさを完璧な形で具現化させたのです。
2026年に刊行された自伝的小説『ぼくだけはブルー』では、和歌山での少年時代から上京、仲間たちとの出会いと衝突、そして毛皮のマリーズが終焉へと向かう生々しい感情の記録が赤裸々に綴られました。なぜあの時バンドを終わらせなければならなかったのか、その痛切な胸の内と青春の終わりが克明に描かれており、解散の真相を深く知るための必読書となっています。