クリミア・コンゴ出血熱は、ブニヤウイルス目ナイロウイルス科に属するオルソナイロウイルス(Orthonairovirus)の感染によって引き起こされる急性ウイルス性出血熱です。1944年にクリミア半島で急性発熱と出血を伴う疾患として初めて報告され、その後の1956年にコンゴ盆地で分離されたウイルスと同一であることが判明したことから、この複合名称が付けられました。
この疾患が世界的に恐れられている最大の理由は、その極めて高い毒性にあります。感染者の病態は急速に悪化することが多く、致死率は一般的な流行地で10〜40%と報告されています。集団発生の規模や現地の医療体制によっては半数近くが命を落とすケースもあり、WHOの優先制圧疾患リストにも常に名を連ねています。
日本国内の感染症法において、本疾患は危険性が極めて高い「一類感染症」に分類されています。これはエボラ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱、ペストなどと同等の最高警戒レベルであり、万が一患者が確認された場合は直ちに隔離措置や厳格な消毒、接触者追跡が法的に義務付けられています。