中国人の性格と国民性を語る上で、避けて通れない最重要概念が「面子(ミエンツ)」と「関係(グアンシー)」です。これらは単なるプライドや人脈という言葉では到底説明しきれない、社会生活を左右する絶対的な行動規範となっています。
中国人 面子重視の真相を探ると、それが個人の見栄にとどまらず、社会的な信用度や家庭の尊厳を守る防壁であることが見えてきます。中国社会において、公の場で誰かに否定されたり、恥をかかされたりすることは「社会的尊厳の剥奪」に等しい致命的打撃を意味します。そのため、人前で直接的に叱責されたりミスを暴かれたりした際、日本人のように「申し訳ありません」と平身低頭するのではなく、猛烈に自己弁護を展開することがあります。これは責任逃れをしているのではなく、剥奪されかけた自己の面子を死守するための防衛本能です。
さらに重要なのが、人間関係を「自己人(身内・仲間)」と「外人(外部の人間)」に峻別する二元論的心理構造です。この境界線の内側に入るか外側に留まるかで、相手への態度は驚くほど豹変します。
なぜ彼らはこれほどまでに仲間を大切にするのか――そこには中国人が家族思いな理由が深く絡んでいます。広大な国土で幾多の動乱や激動の歴史を生き抜いてきた大陸の知恵として、「最後に本当に頼れるのは血縁と、固い契りを交わした身内だけである」という強烈な生存本能がDNAレベルで刻み込まれているためです。一度「自己人」と認めた相手に対しては、打算を越えて家族同様に親身に世話を焼き、困ったときは徹夜で助け舟を出し、惜しみなく持てる資源を分け与えます。日本人が感じる「ドライで自己主張が激しい」という外面の奥には、極めて熱く濃密な人間味が存在しています。