TBS系『ザ・ベストテン』は、2人のライバル関係が最もダイナミックに可視化された舞台でした。毎週木曜日の夜、生放送のランキング発表で「今週の第1位」の扉からどちらが登場するのか、お茶の間は息を呑んで見守りました。
同番組における松田聖子の通算1位獲得週数は44週、中森明菜は69週に及びます。1980年代半ばには、ベストテンの上位を聖子と明菜が独占する光景が日常となり、1位と2位を2人で奪い合うデッドヒートが幾度となく繰り広げられました。
生放送ならではのアクシデントや緊張感の中、空港の滑走路や新幹線のホームからの生中継など、過密スケジュールを縫って歌い続ける2人の姿は、当時の日本経済の熱量と完全にシンクロしていました。番組内でお互いが顔を合わせた際の爽やかな笑顔と会釈は、過酷な競争の中にあった確かな敬意を雄弁に物語っています。