経済ニュースや資産運用の議論で頻繁に引用される資産階層の基準は、株式会社野村総合研究所(NRI)が実施している世帯アンケート調査と保有資産推計に基づいています。同社は国内の総世帯を純金融資産保有額に応じて5つのピラミッド階層に分類しており、そのなかで上から3番目に位置するのが「準富裕層」です。
ここで極めて重要なのが、基準となる指標が「純金融資産保有額」である点です。これは預貯金、株式、投資信託、債券、各種保険金などの金融資産の合計額から、住宅ローンや自動車ローン、カードローンといった「負債」を差し引いた正味の資産額を意味します。たとえば、7,000万円相当のタワーマンションを所有していても、住宅ローンの残債が6,000万円あり、預貯金が500万円しかなければ、純金融資産はマイナス5,500万円となり、定義上は最下層の「マス層」に含まれることになります。
野村総合研究所の公表データおよびその後の市場動向を追跡した統計分析によると、日本の全世帯(約5,400万世帯)のうち準富裕層のシェアはおよそ6.0%〜6.5%(約340万世帯)で推移しています。これは「100世帯のうち約6世帯」「小中学校の1クラス(30人)なら2人前後の家庭」という計算になり、決して都市伝説のような天文学的数字ではなく、努力と戦略次第で十分に狙える現実的な立ち位置を示しています。