「自己責任」という呪縛の正体 格差と社会保障の限界を解剖する

「自己責任」という呪縛の正体 格差と社会保障の限界を解剖する

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日本の言論空間において「自己責任」という言葉が決定的な重みを持つようになった画期は、2000年代初頭の小泉純一郎政権下にさかのぼる。構造改革や規制緩和の美名のもとで進められた労働市場の柔軟化は、非正規雇用の急増とセーフティネットの脆弱化を同時にもたらした。

政治経済学の視点から見れば、この時代に定着した言説は、国家や企業が負うべきリスクとコストを個人へと外部化する巧みな装置だった。痛みを伴う改革を是とし、「勝者」と「敗者」の二極化を容認する空気が醸成された結果、困窮は本人の怠惰や能力不足に起因するという根強い偏見が社会全体に浸透した。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。