『およげ!たいやきくん』の一発屋という誤った認識を持つ人も少なくありませんが、子門真人さんの本質は昭和の特撮・アニメソング界を牽引した不世出のトップシンガーです。
本名を藤川房之助(ふじかわ ふさのすけ)といい、1944年に東京都で誕生。成蹊大学を卒業後、グループ・サウンズのボーカルやフォーク歌手としての活動を経て、卓越した歌唱力を買われてアニメ・特撮ソングの分野へ進出しました。
彼の名を不滅のものにした代表作が、1971年にリリースされた特撮ドラマ『仮面ライダー』の主題歌『レッツゴー!! ライダーキック』です。藤岡弘、さんが歌った初期バージョンから子門さん歌唱版に切り替わるとレコードは爆発的な売れ行きを見せ、累計130万枚を超えるミリオンセラーを記録しました。
子門さんの歌唱の真骨頂は、以下の特徴に集約されます。
- 圧倒的な声量と強靭なバリトンボイス:ブラスセクションの轟音に埋もれない太く鋭い倍音。
- 魂を揺さぶるソウルフルなコブシとシャウト:『科学忍者隊ガッチャマン』のOP『ガッチャマンの歌』で見せるダイナミックな推進力。
- 哀愁と抒情性を描き分ける高い表現力:『勇者ライディーン』や『スタージンガー』など、ヒーローの苦悩を情感豊かに歌い上げる歌唱技術。
水木一郎さん、ささきいさおさん、堀江美都子さんらと共に「アニソン界の黎明期を創り上げた偉大なボーカリスト」として、同業者や音楽関係者からの評価は極めて高いものでした。