結論から明かすと、日本の道路交通法上、自転車に政令で定められた一律の「法定速度」は存在しません。自動車であれば一般道で時速60km、原動機付自転車(原付)であれば時速30kmという法定最高速度が道路交通法施行令第11条によって一律に定められていますが、軽車両である自転車にはこの規定が適用されない立て付けになっています。
なぜ自転車に法定速度が定められていないのか。その背景には、かつて自転車が自動車のように高速走行することを想定していなかった時代背景に加え、自転車にスピードメーターの設置義務がないという構造的な理由があります。速度計を持たない車両に対して一律の数値規制を課すことが法的に難しかったという歴史的経緯があるためです。
しかし、これは「何キロ出しても絶対に違反にならない」という意味ではありません。ここが多くのサイクリストや一般利用者が陥りがちな最大の誤解です。法定最高速度の規定はなくとも、道路ごとに設置されている「道路標識等による最高速度(指定制限速度)」は自転車を含むすべての車両に適用されます。