スクレーパー作業で母材をえぐってしまう最大の要因は、刃先にかける筆圧(押し付け力)の過剰と進入角度のズレにあります。多くの人がバリを一気に削り落とそうと力を込めがちですが、スクレーパーは「削る」というよりも「バリの根元を撫でるように剪断(せんだん)する」道具です。
実践的なバリ取りスクレーパーの使い方における基本は、ワーク(加工物)のエッジに対して刃を約45度の傾斜角で軽くあてることです。刃先を立てすぎると母材に深く突き刺さり、寝かせすぎると刃が滑って表面に傷をつけます。エッジに刃の腹を沿わせ、手首を固定して腕全体で手前に引く「引き刃」の動作を意識するだけで、食い込み事故は激減します。
また、バリ取りで失敗しないコツとして現場で徹底されているのが、「1ストロークで完璧を目指さない」というアプローチです。微小な力で2〜3回に分けて撫でるようにストロークを重ねることで、ワークの寸法精度を損なわずに滑らかなC面・Rエッジを形成できます。