選定療養費は一律に全員から徴収されるわけではなく、法令によって正当な理由が認められる場合の免除規定が明確に存在します。代表的な紹介状なし受診の免除条件は以下の通りです。
第一に、救急搬送された患者や、緊急の処置・手術・入院が必要と医師が判断した重症患者です。第二に、指定難病の医療受給者証を保持している患者や、国の公費負担医療制度(自立支援医療や小児慢性特定疾病など)の対象者、生活保護受給者です。第三に、自院の他科から院内紹介された場合や、医科と歯科の間で院内紹介が行われた場合、さらには健診で精密検査の指示(二次健診指示)が明記された公的通知を持参した場合などが該当します。
ここで多くの人が誤解しやすいのが、夜間や休日の「救急外来受診」と「救急車の利用」に関する扱いです。救急外来の選定療養費について、「救急車で病院に行けば選定療養費は取られない」という言説がネット上で散見されますが、これは明確な誤りです。
救急車で来院した場合であっても、当直医のトリアージによって「軽症」と判定され、入院を要しないと判断された場合は、紹介状なしの初診とみなされて7,700円以上の選定療養費が請求される医療機関が全国的に広がっています。安易な救急車のタクシー代わり利用や、翌朝の通常外来を待たずに救急外来へ駆け込む時間外受診を抑制するための措置であり、明確な重症度基準が適用されています。