最上稲荷の神髄に触れるなら、本殿エリアだけでなく、背後にそびえる龍王山山頂の「奥の院(一乗寺)」への登拝ルートを外すことはできません。
本殿から奥の院までは、片道約1.5キロメートル、標高差約200メートルの山道が続きます。所要時間は徒歩で片道約40〜50分。道中には「八畳岩」など報恩大師の修行場とされる巨石群が点在し、山頂の奥の院本堂からは岡山平野を一望する絶景が広がります。静寂に包まれたこのルートを歩くこと自体が、心身を浄化する「動の瞑想」として機能します。
また、参拝の証として授与される御朱印は、豪快な筆致で「最上位経王大菩薩」と記される通常版のほか、季節限定の切り絵御朱印などが用意されており、朱印帖を携えた巡礼者から高い評価を得ています。本殿で執り行われる特別祈祷(ご祈祷)は、日蓮宗独特の激しい木剣加持(ぼっけんかじ)の音が堂内に響き渡り、邪気を払い福徳を呼ぶ大迫力の儀礼として広く知られています。