どぶろっくの最大の武器は、お笑い芸人の域を遥かに凌駕した歌唱力とギターテクニックだ。森慎太郎の奏でる哀愁を帯びたアコースティックギターの音色に、江口直人のソウルフルで伸びやかな美声が重なる。そのクオリティは、歌詞を英語やイタリア語に変えれば、そのまま一流のオペラやミュージカルとして成立するレベルだ。
彼らが歌い上げるのは、男の愚かしさや、剥き出しの性衝動といった泥臭いテーマばかり。しかし、そのメロディがあまりにも美しいため、聴き手はいつの間にか下品さを忘れ、壮大な叙事詩を聴いているかのような錯覚に陥る。この「ギャップ」こそが、彼らのネタが持つ唯一無二の魔力だ。