楽譜出版を手掛けるフォスター・ミュージック株式会社からリリースされている本作のスコアを開くと、緻密なアンサンブル構造が浮かび上がってくる。冒頭の管楽器による静かな提示部は、空気感をいかに作るかが全体の出来を左右する。
演奏上の重要なポイントは、中間部における打楽器群のダイナミズムと、金管セクションによる重厚なハーモニーの融合だ。和太鼓の響きを想起させるリズムパターンや、切なく歌い上げるフルートやユーフォニアムのソロなど、各パートに見せ場が用意されている。技術的な難易度を超えた先にある「情念の表現」こそが、金賞を手にするための鍵となる。