朝夕の渋滞時、信号待ちで停車している車の列の左側を、自転車がスピードを落とさずにすり抜けていく光景は珍しくない。この「すり抜け」行為は、状況によって違法性の判断が大きく分かれるため注意が必要だ。
停止している車両の左側を、進路を変えずに等速で通過する行為自体は直ちに違法とはみなされない場合もある。だが、走行中の車を左側から追い越す行為や、路肩の白線(路側帯や車道外側線)を不適切に跨ぎながらジグザグに進む行為は、明確な道路交通法違反(左側追越しの禁止・安全運転義務違反)に該当する。
万が一、左側すり抜け中に車が左折して巻き込まれたり、同乗者のドア開放によって衝突したりした場合、自転車側の過失割合が大幅に引き上げられる。通常、車と自転車の事故では交通弱者である自転車が保護される傾向にあるものの、強引な左側追い越しやすり抜けが立証されれば、自転車側に20%〜40%以上の過失が認められる判例も定着している。金銭的・法的な自己防衛の観点からも、左側すり抜けは極めてリスクが高い。