『ズートピア』の劇中には、観客の胸を打つ名言が数多く散りばめられています。その名セリフの数々が色褪せないのは、森川智之さんによる絶妙な声のニュアンスがあったからこそです。特に印象深い名シーンとセリフを振り返ります。
「傷ついたなら、見せちゃダメだ。相手の思うツボだぞ」
幼少期に「肉食動物のキツネ」という偏見だけで口輪をはめられ、トラウマを負った過去をジュディに打ち明けるシーン。森川さんは過剰に泣き落とすような演技をせず、あえて淡々と、自分自身に言い聞かせるような静かなトーンで語りかけます。この抑えた芝居が、ニックの心の奥にある深い傷と孤独を浮き彫りにしました。
「俺のこと好きなんだろ?(You know you love me.)」
物語のラストシーン、パトカーで巡回する2人の会話の締めくくりに放たれる決めゼリフです。ジュディの「そうね。どうかしら」という返しを含め、軽妙でありながら確かな信頼と親愛の情が込められたこの一言は、多くの観客を悶絶させました。森川さんの低音ボイスの響きと、口角を上げて笑っているような息遣いが完璧に融合した名演です。