劇場公開から時を経ても色あせない理由、それは圧倒的なビジュアル構築力にある。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのトップクリエイター陣が積み重ねたリサーチと実験の成果が、1枚1枚のコンセプトアートに凝縮されている。毛並み一本の質感から都市背景の光と影に至るまで、徹底して計算し尽くされたデザインだ。
共同監督を務めたバイロン・ハワードをはじめとする制作チームは、動物のリアルな形態と人間味あふれる演技をいかに融合させるかという極限の課題に挑んだ。その結果誕生した3DCGアニメーションの設計図は、現代のアニメーション制作における至高の教科書と言っても過言ではない。作品背景を描いた美術設定一枚をとっても、そこには膨大な世界観が息づいている。