サンリオの表現する世界観の根底には、明確な理念が存在する。創業者である辻信太郎が掲げた「みんななかよく」という哲学だ。戦後の記憶を胸に刻む辻は、小さなギフトを通して人と人との心をつなぐビジネスを模想し、株式会社サンリオを立ち上げた。
その思想をファンに直接届けるメディアとして1975年に創刊されたのが『いちご新聞』である。新キャラクターのお披露目やファンからの熱い投稿、さらには平和へのメッセージまでを掲載し続け、半世紀近くにわたりファンコミュニティの精神的支柱であり続けている。
多くのヒットキャラクターが生み出される裏には、単なる可愛さの追求だけでなく、「孤独な人に寄り添い、優しさを届ける」という開発者たちの隠された情熱があった。『いちご新聞』の紙面には、時代を超えて受け継がれるデザインの試行錯誤と、ファンの声とともに歩んできた歴史が刻まれている。