現実世界の3歳児を思い浮かべてほしい。いわゆるイヤイヤ期の真っ只中で、言葉もまだ足らず、感情のコントロールに頭を抱える親も多い時期だ。しかしタラちゃんはどうだろう。自分の足でしっかり走り回るどころか、大人に対して敬語混じりの「〜ですー」という独特な丁寧語を使いこなし、自分の意思をはっきり伝える。
この独特な話し方は、幼少期特有の舌足らずさと、磯野家という大家族の環境が育んだ合作と言える。波平やフネという祖父母、サザエとマスオという両親、さらには中学生・小学生の叔父・叔母(カツオ・ワカメ)まで同居する賑やかな家だ。大人の洗練された日常会話を毎日シャワーのように浴び続けた結果、あの丁寧でチャーミングな言語表現が自然と身についたと考えれば、非常に辻褄が合う。