1964年生まれの甘糟りり子氏は、還暦を迎えてなお一層、みずみずしい筆致で多くのファンを魅了しています。現在の彼女は、神奈川県鎌倉市にある自宅を生活と仕事のメイン拠点に据え、新聞、文芸誌、WEBメディアでの連載コラムを多数執筆。食、旅、街歩き、そして大人の生き方をテーマにしたエッセイが定番の人気を誇っています。
近年刊行された著書や最新インタビューでも明かされている通り、彼女の関心は「派手な消費や見栄」から「日々の確かな手応え」へとシフトしました。朝の散歩で季節の移ろいを感じ、地元の市場で手に入れた旬の魚や野菜を料理し、気の置けない仲間とワインを傾ける――そんな丁寧でありながら気取りのない日常描写は、慌ただしい現代を生きる人々に深い心地よさを届けています。