「商売繁盛で笹持って来い!」の威勢の良い掛け声で知られる今宮戎神社。毎年1月の十日戎には数百万人が詰めかけるが、平日の境内は驚くほど穏やかな時間が流れている。自らの足で稼ぎ、知恵を絞って生き抜いてきた大阪商人の気概が、この敷地には染み込んでいる。
一方、道修町(どしょうまち)のビル街に静かに佇むのが、薬の神様を祀る少彦名(すくんひこな)神社だ。製薬会社が立ち並ぶエリア柄、医療関係者や健康を願う人々が絶え間なく訪れる。張子の虎が揺れる授与所で手に入るお守りは、病気平癒だけでなく「心の平穏」をもたらすとして若い世代の間でも密かなブームだ。過酷な現代社会を生き抜くためのしなやかな強さが、ここにはある。