劇場版名探偵コナンにおける服部平次の存在感は絶大です。初登場の『世紀末の魔術師』(1999年)から始まり、『迷宮の十字路』(2003年)では京都の寺社を舞台にバイクチェイスと日本刀での立ち回りを披露し、平次ファンを決定づける金字塔となりました。
その後も『から紅の恋歌』(2017年)では、平次の婚約者を名乗る百人一首のクイーン・大岡紅葉が登場。「死んでも守ったる」の有言実行とともに崩壊するテレビ局から和葉をバイクに乗せて脱出する大迫力のアクションで興行収入68.9億円を記録しました。
そしてシリーズ最大の歴史的転換点となったのが、『100万ドルの五稜星(みちしるべ)』(2026年)です。函館を舞台に土方歳三の星稜刀を巡る争奪戦が繰り広げられる中、平次は函館山から望む「100万ドルの夜景」をバックに、ついに和葉へ完璧なロケーションで思いの丈を告白します。しかし、直前に投げ込まれたスタングレネード(閃光音響手榴弾)の炸裂によって和葉の耳が一時的に聞こえなくなっており、決定的な言葉は届かないという極上のコメディ的結末を迎えました。
さらに同作のラストでは、怪盗キッド(黒羽快斗)と工藤新一の父親同士(黒羽盗一と工藤優作)が一卵性双生児の兄弟=二人は実の従兄弟であるという原作30年目にして最大の秘密が判明。平次が追う事件の背後にある人間関係の巨大な広がりが提示され、2026年現在の原作連載における組織編・キッド編の交差点として極めて重要な位置を占めています。