少女漫画の実写化において、原作ファンの期待を超えることは極めて困難なハードルです。特に神尾葉子氏による原作『花より男子』の道明寺司は、世界屈指の大財閥の跡取りであり、類まれな美貌と圧倒的なカリスマ性を持つ絶対的支配者。キャスティング発表時には原作ファンから様々な声が上がっていました。
しかし、ドラマが幕を開けると評価は一変します。花より男子で松本潤が見せた道明寺司は、単なる冷酷な御曹司ではありませんでした。ヒロインの牧野つくしに惹かれるにつれて見せる子どものような無邪気さ、不器用すぎるアプローチ、そして愛する者を命がけで守り抜く男らしさ。道明寺司がハマり役と言われた最大の理由は、原作の持つ極端な二面性を、松本潤が生身の人間の魅力としてリアルに体現した点にあります。
眉間にシワを寄せた威圧感あふれる表情から、つくしの一言に一喜一憂する柔らかな笑顔へのグラデーション。松本潤自身の天性の華やかさとストイックな表現力が、道明寺というキャラクターに圧倒的な説得力を与えました。