リアルタイム公開から歳月を経た現在、国内最大級の映画レビューサイトFilmarksや各種SNSにおける奥さまは魔女の映画感想レビューには、かつてのバッシングとは対照的な絶賛コメントが並んでいます。「ストーリーの粗さはあるけれど、ニコール・キッドマンがただひたすら可愛い」「衣装と美術のセンスが最高で、観ているだけで幸福感に包まれる」といった声が主流を占めているのです。
最大の魅力は、ニコール・キッドマンが見せたコメディエンヌとしての愛らしさです。シリアスな演技派としての印象が強い彼女が、小首をかしげて鼻をピクピク動かす仕草は、オリジナル版のエリザベス・モンゴメリーを完璧にトレースしながらも、彼女自身の透明感あるキュートさを放っています。ほうきに乗って夜空を飛ぶ無邪気な笑顔や、人間界のトースターに驚くリアクションの一つひとつが、観客の心を掴んで離しません。
さらに映画ファンやファッション関係者の間で語り草となっているのが、奥さまは魔女におけるニコール・キッドマンのかわいい衣装の数々です。衣装デザインを担当したのは、『ノーカントリー』や『ラ・ラ・ランド』を手がけた名匠メアリー・ゾフレス。1950〜60年代のクラシカルなアメリカン・ヴィンテージのテイストをベースにしつつ、2000年代のモダンなシルエットを融合させたワードローブは、今見ても全く色褪せていません。
パステルカラーのアンサンブルニット、ふんわりと広がるAラインのフラワープリントスカート、ウエストを細ベルトでマークしたレトロフェミニンなワンピースなど、登場するすべてのコーディネートが「大人の女性の可憐さ」を極限まで引き出しています。この洗練されたスタイリングと温かみのあるインテリア美術だけでも、本作を鑑賞する価値は十二分にあります。