電気ケトルのお手入れにおいて、最も重要なのは「ゴシゴシ擦らない」ことだ。ステンレスやフッ素加工が施された底面を金属タワシなどで擦ると、細かな傷がつき、そこに余計に水垢が溜まりやすくなる負のスパイラルに陥る。プロが実践しているのは、満水にしたケトルにクエン酸を大さじ1〜2杯投入し、通常通り沸騰させてそのまま放置するだけの極めてシンプルな裏技だ。
ここで鍵を握るのが「放置時間」の正確なコントロールである。軽度の水垢なら沸騰後1〜2時間の放置で十分ツルツルになるが、何ヶ月も放置した頑固な結晶化汚れには3〜4時間程度の長めのアプローチが効果を発揮する。ただし、一晩中などあまりに長く放置しすぎると、かえって金属部品の劣化や臭い移りの原因になりかねない。放置後は一度湯を捨て、水だけで再沸騰させてすすぐ工程を挟むのが、安全で清潔な湯沸かしを維持するための鉄則だ。