ネット上の情報や検索傾向を分析すると、大さん橋に関して現在も根強く残るいくつかの誤解が存在します。現地を訪れて落胆しないために、正確なファクトを押さえておく必要があります。
誤解1:クルーズ船の乗船客やチケット所持者しか入れない?
これは完全な誤解です。大さん橋は国際航路の乗降場であるCIQ(税関・出入国管理・検疫)施設を備えていますが、出入国審査ゾーンなどの制限区域を除き、屋上広場「くじらのせなか」や2階ロビー「くじらのおなか」は一般に広く開かれた公共デッキ・ホールです。乗船予定がない一般の散策者や観光客も、完全無料で自由に入退場が可能です。
誤解2:雨が降ったら見どころが一切なくなる?
屋上デッキは雨天時に傘が差しにくく足元も滑りやすくなりますが、雨の日にこそ真価を発揮するのが2階フロアです。「くじらのおなか」と呼ばれる内部空間は、柱を一本も使わずに折り紙のように折られた鉄板の連続構造で支えられており、その無機質で雄大な建築美は世界の建築関係者からも高く評価されています。しとしとと降る雨に煙る横浜港を、巨大なガラス窓越しに静かに眺める体験は、晴天時の喧騒とは一線を画す奥深い情緒を醸し出します。
誤解3:どの客船もすべて大さん橋に着岸する?
近年、クルーズ客船の巨大化が進んだ結果、総トン数17万トン級を超える超大型客船(例:MSCベリッシマ等)は、横浜ベイブリッジの桁下クリアランス(高さ約55メートル)を通過できません。そのため、そうした超大型船は「大黒ふ頭客船ターミナル」や本牧ふ頭に着岸します。また、「新港ふ頭客船ターミナル(横浜ハンマーヘッド)」へ接岸する中型客船も存在します。「大さん橋に行けば必ずすべての船が見られる」と思い込まず、横浜市港湾局の着岸バース情報を確認することが失敗を防ぐ唯一の手段です。